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齋藤孝/上機嫌の作法

本(ビジネス・人生)

2006年02月02日

上機嫌の作法.jpeg 齋藤 孝 / 上機嫌の作法

 月に数冊の本を読みます。通勤に往復約3時間かける生活を10年以上続けていますので。勿論、寝不足でただただぼ~っとしていたり、考え事をしていたりすることも最近は特に増えてきましたが、iPodで音楽や英語を聴いたり週末購入した本を読んだりとそれなりに通勤タイムを有効活用しているかもしれません。今日はそんな中でつい最近興味深く読ませてもらった本をご紹介しましょう。

 著者の斎藤孝さんという方は近頃超売れっ子作家の一人になられていますね。声を出して読みたい日本語とかいうベストセラーを数年前にものしてから、次々に売れる話題本を出版されています。私も最初はこの斎藤さんという方を刹那的に流行を生む類の方だろうと思っていましたが、本作やその他数冊を読んでみて、この方は結構に筋の通った本物の啓蒙家に違いないという印象を持つに至りました。

 まず本作に書かれた次の文章にギクリとしました。「人と一緒にいる間は、楽しい時間を過ごすようにお互い努力する、という暗黙の基本ルールが、現在の日本ではあまり共有されていないと言っていいでしょう。場に対する責任感、当事者意識が希薄すぎる。その場は、自分を含めた一人ひとりのからだの延長です。場にいる者は、沈滞した空気に対して、当事者としての責任がある。不機嫌が平気な人というのは、自分の存在を相手に認めさせたいという自己中心的な考え方から脱却できていないのです。」(p.37)

 また、こんなのもあります。「欧米人と比較したとき日本人はユーモア、ジョークやエスプリの感覚が乏しい。ジョークは技です。訓練を積んでいないと言えません。場を盛り上げ、気分をほぐし、相手と自分の関係をもっといい状態にしようという明確な意志のないところには、ジョークは生れません。」(p.36) 私のまわりにいるよくできた外国人の方々は大抵がそうした場への配慮を責任感をもって意識していらっしゃる、いわば大人の風格を感じさせるものがありますね。

 確かに今の日本では自分も含めて不機嫌な顔していても平気でいられる人が多すぎるように思います。複数の人どうしが接近すれば生じるべき場に対する何という無責任、そして、それを許す社会に対しても警鐘を鳴らす著者の視線に共感しました。ご指摘いただきありがとう、お説ごもっとも、と自戒の念を込めて考えさせられました。

 さらには、上機嫌列伝という章が設けられ、「マツケンサンバ」に人々が求める上機嫌の典型があり、谷川俊太郎、淀川長治、黒柳徹子、宇野千代、新庄剛志、小野伸二、長嶋茂雄らを上機嫌の達人として数ページずつ紹介しています。本当に愉快です。

投稿者 aft : 20:50 | コメント | トラックバック

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