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ポール・デスモンド/ボッサ・アンティガ
JAZZ Sax 2
2006年12月03日
今日は私のお気に入りサックス・プレイヤーのポール・デスモンドさんにご登場願いました。ジム・ホールとの絶妙なコラボレーションが冴える本作はいつ聞いてもジャズの楽しさを満喫させてくれる貴重な癒し系のジャズ・アルバムです。パーゾネルは、ポール・デスモンド(as)、ジム・ホール(g)、ジーン・ライト(b)、コニー・ケイ(ds)。1964年録音。RCAレコード。
今日の関西地方は素晴らしい好天に恵まれまして私は透き通った大気の中をいつものようにラジオとiPodを携えての週末登山を楽しんでまいりました。日曜ラジオはこの10年以上毎週聞いているFMNHKの日曜喫茶室とシンフォニーホールを12時15分から15時まで、その後はiPodで英語やFavoriteジャズなどを嗜みながらひたすら余分な脂肪を燃焼すべくアップダウンの山間を早足で歩きます。
今日も地元の六甲山系の西のはずれにある須磨アルプスから、離宮公園、須磨海岸と内陸から海まで休日の肌寒い午後を一汗かきつつの自然に触れる素敵な一日となりました。夕食にはロシア産生蟹1kg1800円をそごう三宮地下食料品売場で買い求めて自宅で蟹鍋、デザートに元町ケーキ定番「ざくろ」という典型的な神戸庶民家庭4人の冬のちょっと贅沢コースとなりました。今年は良質な蟹が比較的安価に入手できるようで毎週末の夕食の楽しみが一つ増えたようです。
iPodの中味を昨日夜に全面的に入れ替えましたので、久方ぶりに聞く音楽や英語に新鮮な感動を覚えつつ、やはりその中で最も心浮き立った音楽がこのポール・デスモンドの麗しいアルトの響きなのでした。ギターのジム・ホールとの音とセンスのバランスが実にいい具合なのですね。優しい音の葉の連なりが名俳句や名短歌に見られる絶妙の言の葉のごとく私の微妙な琴線に触れてくるのです。そうこうした癒しを待ち望んでいたのですよと、すさんだ心が感謝しています。
白人系モダン・ジャズ・ギターのジム・ホールやバーニー・ケッセルのセンスは私のお好みの音楽なのです。その乾いた表現の中にある醒めた客観的な音こそがむしろ私の心を打つのですね。これは全くもってポール・デスモンドのアルトの魅力に通じるものがあります。リー・コニッツもそうです。淡々と飄々と奏でられる哀しくも美しいメロディ達があまりにあっさりしているからこそ心に訴えかけててくる、私はそのように感じます。
ビル・エヴァンスとジム・ホールのデュオによる「アンダーカレント」という名盤と言われるアルバムがありましたが、そこでのエヴァンスとジム・ホールの演奏はあまりに悲し過ぎて私にとっては全く魅力のない音楽でしかないのです。ジョン・コルトレーンの「バラード」も同様です。演奏者自らが少しでもそのセンチメンタリズムに浸っている気配が感じられると、聞く者はものすごく敏感にその微妙なセンスを感じてその音楽が心に届かないものになってしまうのです。
本アルバムは全曲ボサノバ調です。ボサノバは私のお好みの快楽音楽。ノリのよい独特のリズムと親しみと哀愁のあるメロディ、特にアントニオ・カルロス・ジョビンの残した美しい作品群は20世紀を最も代表するポピュラー音楽と思っています。ここでのポール・デスモンドのアルトはボサノバ音楽を最適なジャズに仕立て上げることに成功しています。スタンゲッツやキャノンボール・アダレイら名サックス奏者のボサノヴァほどには熱いものはないかもしれませんが、あっさりしている分だけむしろ日常的に楽しむには飽きのこない類に違いありません。
ジム・ホールのギターも生来デスモンドと似たセンスを有しているのか、全く違和感のない仕上がりです。デスモンドもホールも力みのないリラックスした雰囲気です。デスモンドの魅力こそこのように何の気負いもなく淡々といつもの日常的な演奏ができるところです。本作でホールとのコラボレーションがうまくいっているとしたら、それはホールも同様にいつものリラックスした演奏ができたことだろうと思うのです。エヴァンスとホールでは流石にそうは行かなかったのでしょう。デスモンドの気の利いたアルトを聞きたいと心底思うことが時々ありますが、本作はその欲求を完全に満たしてくれるデスモンドらしいアルバムなのです。
1.Bossa Antigua
2.The Night Has A Thousand Eyes
3.O Gato
4.Samba Cantina
5.Curacao Doloroso
6.Ship Without A Sail
7.Alianca
8.The Girl From East 9th Street
9.The Night Has A Thousand Eyes: Alternate Take
10.Samba Cepeda
11.O Gato: Alternate Take
Paul Desmond (as), Jim Hall (g), Gene Wright (b), Connie Kay (ds). Recorded on 28,29.Jul.1964. RCA Records.
詳しくはアマゾンでどうぞ。試聴も可能です。
→ Paul Desmond/ Bossa Antiguia
投稿者 Jazz Blogger T : 21:23 | コメント | トラックバック
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